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新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を契機に都内企業のテレワーク導入率が3月の24.0%だったのに対し、5月には62.7%と2.6倍に急増しました。(※)
連日東京では200人を超える新規感染者が発覚し、いつまた緊急事態宣言が再度発令されるか分かりません。紙資料や判子決裁など、一部出社しなくてはならない業務がある企業の中には、これを機に業務のデジタル化を推進しています。しかし、デジタル化を推進が却ってトラブルを引き起こすことがあります。
※出典:東京都新型コロナウイルス感染症対策本部報第330報
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/saigai/1007261/1007864.html
「業務のデジタル化を推進する」と、本来手段であるデジタル化を目的としてしまい、デジタル化を通して何を実現するのか不明瞭になっている企業をよく目にします。
例えば「紙の資料が多く、業務が非効率だから紙の資料をデジタル化する」と、デジタル化を目的とした取り組みを実行してしまうと、オフィスの大量の紙資料を1枚ずつPDF化とファイル名を付けるのに時間と労力がかかります。更にPDFファイルをハードディスクや共有フォルダに取り急ぎ格納すると目的のファイルが見つけづらくなるだけでなく、PDF化紙資料の廃棄判断がつかず、紙が残ってしまいます。
デジタル化すれば部署をまたいだ情報共有が円滑になる、コミュニケーションが活発になるなど思われがちですが、デジタル化は理想をすぐに実現できる魔法ではありません。デジタル化によって目的を達成できるか3つのステップで考え抜く必要があります。「業務効率化を目指す」ケースを例にご説明します。
<ステップ1. 何が目標達成の妨げになっているか明確にする>
例えば、今まで担当者が稟議書を作成し、印刷したものに捺印を貰う決裁プロセスがあったとします。デスクやオフィスに決裁者が不在だと、決裁の流れが止まってしまい意思決定の遅れを招きかねません。この場合、場所に捕らわれない決裁プロセスが目的達成の妨げになっていることが分かります。
<ステップ2.デジタル化がどの機能・役割を担うのか明確にする>
決裁者がオフィスやデスクに不在でも決裁処理を円滑に進めるため、デジタル化によって場所に捕らわれず、決裁者がノートパソコンやスマートフォンなどで稟議書を確認し承認することで意思決定のスピードをあげることが出来ます。また、出勤する必要が無くなり、台風などの自然災害時でも稟議を進めることができ、感染防止にも繋がります。実現するためにはデジタル化で「稟議書の共有・確認」「承認」の機能を担うことになります。
<ステップ3. 業務プロセスや社内ルールをどう変えるのか>
ワークフローシステムを導入し、稟議プロセスをデジタル化するとなった場合、稟議書の印刷廃止や申請から最終承認完了まで7日かかっていたのを3日以内に完了するなど業務プロセスや社内ルールをどう変えるか考えましょう。
新型コロナウィルスによる社会変化の前は、デジタル化の目的の多くは業務効率化を目的としたものでした。しかし、ウィズコロナ渦におけるデジタル化は社員の人命を守るための感染防止を目的としたものに変化しています。新型コロナウィルスによりビジネスの前提ルールが覆ってしまった中、既存の業務を元にしたボトムアップの業務改革では太刀打ちできません。ウィズコロナ社会を見据えた業務のあるべき姿をトップダウンで迅速に考え実行していくことが必要です。
弊社は従来のボトムアップ型の業務改革ではなくSDGsやSociety5.0など企業に求められる変化を踏まえたトップダウン型の業務改革コンサルティングを実施しております。
企業を取り巻く環境変化により、働き方をどう変えればよいか悩んでいらっしゃる方は、お気軽にご相談ください。